大手鉄鋼メーカーのJFEスチールは、製鉄所の生産設備などがサイバー攻撃で被害を受ける事態を想定した訓練を新たに始めることになりました。

製品の検査工程のラインを再現した訓練用のミニチュアを作り、現場で働く社員がみずから攻撃に対処できるようにするのが目的です。

コンベアやロボットアームなどの通信状況を見て、攻撃を受けている機器を特定する知識などを学び、工場のライン全体の停止を防ぐことにつなげます。

会社では、今年度中に国内各地の製鉄所で順次、訓練を行う計画です。

新田哲 専務執行役員は「機器の故障とサイバー攻撃を見分ける判断が非常に難しい。現場レベルの対応力の底上げが最大のポイントになる」と話していました。

AI活用した新たな検知システムも

一方、三菱電機とNTTコミュニケーションズは、AIが通信の量や頻度などからサイバー攻撃を検知する新たなシステムを共同で開発しました。

従来の検知は、過去の攻撃のパターンに基づいて行われていましたが、新たな未知の攻撃のパターンにも対応できるのが特徴です。

情報通信研究機構によりますと、サイバー攻撃に関わる通信は、去年はおよそ10年前の2014年と比べて25倍に増えていて、14秒に1回、攻撃を受けている計算となります。

国内ではことし、出版大手の「KADOKAWA」や、大手光学ガラスメーカーの「HOYA」などがサイバー攻撃によってサービスや生産への影響が続く事態となりました。

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