新サービスについて説明する細見研介社長㊧ら(16日、東京都港区)

ファミリーマートは16日、自社アプリ上でメーカーが独自に広告やクーポンを配信できるサービスを始めたと発表した。決済アプリ「ファミペイ」上に、メーカーごとの専用ページを立ち上げる。まず日本コカ・コーラやサントリーなど3社と連携する。アプリの機能を高め、リテールメディア(小売り広告)事業全体で2028年度に事業利益で約100億円を目指す。

ファミマはメーカーと連携して広告を配信するサービス「デジタル・パートナーシップ・プログラム」をこのほど始めた。ファミペイの中に、メーカー各社のアイコンが複数表示され、それらを選択すると各社の独自の広告が表示される仕組み。まず、日本コカ・コーラとサントリー、サントリーフーズ(東京・港)の3社と連携する。

配信の中身はメーカー側が制作する。ブランドや新商品の広告、工場の見学イベントの案内などのほか、一定の購入回数を達成するとクーポンを提供するゲームなども組み込む計画だ。ファミマが持つ購買データや広告やクーポンの利用状況などを分析し、商品のファンや潜在顧客を割り出して購買率向上や継続購入につなげる。

アプリと実店舗の広告連動にも取り組む。約1万店に設置しているデジタルサイネージ(電子掲示板)について今後、首都圏を中心に約2000店に追加で設置する。約1万5千店に設置する小型端末「ビーコン」を使い、来店客のスマホに広告をリアルタイムで通知するほか、アプリと連動した広告をサイネージで流す。

同日の説明会に登壇したファミマの細見研介社長は「米国ではウォルマートをはじめリテールメディアが全盛になると5年ほど前から分かっていた。ようやく日本でもリテールメディアがあたり前の時代になった」と述べた。

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