もみ殻を燃料にするボイラー(秋田県大潟村)

全国有数のコメどころの秋田県大潟村に、もみ殻を燃料にバイオマス熱を地域に供給するプラントが完成した。2050年を目標に掲げる「自然エネルギー100%の村づくり」の柱の事業の一つ。試運転を始めており、24年秋に本格稼働させる計画だ。

プラントの竣工式が17日、開かれた。プラントを管理・運営する地域エネルギー会社、オーリス(大潟村)の高橋浩人社長(大潟村村長)は「稲作から食糧とエネルギーをつくり、地域資源・経済の好循環を構築することはGX(グリーントランスフォーメーション)のモデルになる」と述べた。

竣工式で挨拶するオーリスの高橋社長(大潟村)

プラントはもみ殻を燃料にボイラーで湯を沸かし、85〜90度の湯を村内のホテルや温泉施設、小中学校など5施設に供給する。各施設は熱交換器を通して湯から熱を受け取り、給湯や暖房に使う。湯はボイラーに戻して再び加熱し、施設と循環する。

ボイラーは大潟村カントリーエレベーター公社の敷地に設置し、約3.5キロメートルの熱導管で5施設と結んだ。施設で使う重油などを順次バイオマス熱に切り替える。

もみ殻の有効活用を検討してきた(大潟村)

約1万ヘクタールの村内の農地のほとんどを水田が占める。稲の収穫後、もみ殻が年間約1万4000トン発生し、これまで半分ほどの活用にとどまってきた。今後、太陽光発電や稲わらも活用し、自然エネルギーを中心にした循環システムを村内につくる。

村は22年4月、脱炭素に先行して取り組む環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれた。

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