国土交通省は地域住民や観光客の移動の足がない「交通空白地」の解消に乗り出す。ライドシェアの制度改善や全国への普及を進めるとともに、自治体のライドシェア導入やタクシーの利便性向上といった取り組みを支援する。年内にも全国での対策にめどをつける。
17日に「交通空白」解消本部の初回会議を開いた。斉藤鉄夫国交相は「国交省の総力を挙げて一気呵成(かせい)に交通空白の解消に向けて努力したい」と述べた。
国交省の調べによると全国の自治体の3割超にあたるおよそ600の自治体で、ライドシェアの導入に向けた動きが遅れている。地方の主要な特急停車駅や空港でもタクシーがつかまらないといった課題がある。
同省は600の自治体を対象に7月中にも実態調査をする。調査を踏まえて特に早く解決が必要な自治体では9月までに、他の自治体は12月までに移動手段の不足を解消する対策にめどをつける。
具体的には国の担当者が出向き、制度を説明して自治体のライドシェア導入を支援する。4月から始めた「日本版ライドシェア」や自治体などが運行する「自治体ライドシェア」、乗り合いタクシーといったメニューを説明する。
自治体や交通事業者が協力して、列車の乗車中や航空機の搭乗前にタクシーを事前に予約できるようなサービスの導入も検討する。国交省でも自治体や事業者が使える財政的な支援策を洗い出して活用を促す。
会議では日本版ライドシェアの制度改善を2段階にわたって進めることも示した。9月ごろにも大規模イベント時などの車両の供給拡大策などをまとめる。12月ごろのとりまとめを目指してダイナミックプライシング(変動価格制)の導入なども検討する。
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