イタリア南部カラブリア州で開かれた今回の会合では、先月のG7サミットでの合意を踏まえ、中国によるEVや太陽光パネルなどの過剰生産問題や、経済安全保障に関わるテーマで議論が交わされ、17日に閣僚声明を採択して閉幕しました。
声明では、中国を念頭に不透明な補助金政策などが有害な過剰生産につながっていると指摘した上で、G7が連携して、非市場的な政策や慣行への監視を強めることを盛り込んでいます。
また、経済安全保障の脅威となり得る、重要鉱物の輸出管理の動きに対しても監視や情報交換の能力を高め、サプライチェーンが混乱するリスクを防いでいくとしています。
さらに経済的な依存関係を武器化するいかなる試みも非難するとして、輸出入の規制などで貿易相手国に圧力をかける「経済的威圧」に対しては、G7以外の国々とも協力しながら対処していくことにしています。
一方、貿易をめぐる争いを解決するWTO=世界貿易機関の紛争解決制度が機能不全に陥っている問題では、ことし中に完全に機能する制度の実現を引き続き目指すとしていますが、立場の隔たりもある中で、実現に向けた道筋をつけられるかが課題となります。
上川外相「新興国や途上国との連携強化など重要」
会合を終えた上川外務大臣は記者団に対し、「非市場的な政策や慣行の結果として生じる市場のわい曲や過剰生産が国際経済秩序を損なうだけでなく、新興国や途上国の持続可能な成長を妨げるという共通認識を確認した。過剰生産に対する監視や情報交換を行うとともに新興国や途上国との連携強化などの取り組みを着実に実施していくことが重要だ」と述べました。
齋藤経済産業相「対処に実効性持たせることが重要」
会合を終えた齋藤経済産業大臣は記者団に対し、「過剰供給につながる非市場的で不公正な産業政策をG7が連携してモニタリングし、対処することで意見が一致した。今後は対処に実効性を持たせることが重要で、そのためにもルールに基づいた国際経済秩序の維持強化を早急に進め、ルールを無視した弱肉強食の世界への逆戻りを防いでいきたい」と述べました。
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