伊藤忠商事は18日、物流を効率化するデジタルトランスフォーメーション(DX)のシステムを開発し、グループ企業向けに提供を始めたと発表した。荷物の配送や保管時間などのデータを可視化しやすくする。運転手の残業制限に伴い輸送能力が不足する「2024年問題」のなか、グループ企業のコスト削減や収益向上を支援する。
伊藤忠が出資しているデータ分析会社のブレインパッドのほか、物流コンサルのロジクロス・コミュニケーション(東京・中央)と共同でシステムを開発した。荷物の配送時間、運転手の不足や過多、倉庫作業の人件費、倉庫での荷物の滞留時間といった約70項目のデータを蓄積し、可視化できる。
伊藤忠は各社で蓄積されている物流関連のデータ量を調べ、整理する。荷物にセンサーを付けて計測するといった仕組みの導入のほか、配送や倉庫での作業改善や効率化も助言・支援する。
食料や繊維、住生活分野などで荷物の輸送量が多いグループ会社を中心に「2年以内に20社程度に利用してほしい」(広報担当者)という。グループ会社にとってシステムを自前で開発するコストを削減できる利点がある。
伊藤忠は3月末時点で約260社のグループ会社を抱えており、支援・助言は重要な経営テーマとなっている。
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