JR九州は、鉄道運賃の値上げを国交省に申請したと発表した(JR博多駅のきっぷの券売機)

JR九州は19日、鉄道運賃の値上げを国土交通省に申請したと発表した。初乗り運賃を170円から30円引き上げ、200円にする。改定率は普通運賃が平均約15%、通勤定期は平均約30%。2025年4月1日に実施予定で、消費税増税を除くと1996年以来29年ぶりの運賃値上げとなる。

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新幹線の特急料金は平均約12%値上げする。鉄道事業全体の収入ベースでは計約11%の引き上げとなり、2025〜27年度の平均で年間168億円の増収効果を見込む。

一方で23年度の乗客数は新型コロナウイルス禍前の9割程度で、回復が頭打ちとなっている。豪雨などの自然災害が激甚化するなか、復旧費も平均で年間20億円程度かかるという。

特急料金を値上げする九州新幹線(JR博多駅)

電気代の高騰や物価高により維持費も膨らんでおり、23年度の鉄道部門の収支は291億円の赤字だった。運賃を値上げしても25〜27年度の平均で年間197億円の赤字となる見通しだ。

同日の記者会見で古宮洋二社長は「28年間、社員の努力や機械化でどうにか乗り切ってきたが、物価の高騰や人件費の上昇、災害への対応など今後を考えると先々の鉄道運営が苦しい。安全性やサービスの向上でお客様に還元したい」と話した。

JR各社ではJR北海道が25年4月に運賃を平均約8%値上げする方針を示している。

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