生成AIが消費者の声から架空の商品をつくりだす(24日、東京都港区)

NTT東日本子会社でデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を手掛けるNTT DXパートナー(東京・新宿)は24日、生成AI(人工知能)を使った商品開発プラットフォームを立ち上げると発表した。消費者の要望をもとにAIが架空の商品をつくり、その中から商品化できそうなものを中小企業が選ぶ仕組みだ。人材不足に直面するメーカーの橋渡し役となり、地域経済の活性化につなげる。

「架空商品モール」を12月に一般公開する。クラウドファンディングのマクアケと連携する。

様々なメーカーの技術を学習させたAIチャットボット(自動応答システム)に消費者が困り事などを書き込むと、課題解決につながる架空の商品を画像つきで表示する。メーカーは架空の商品の権利をNTT DXパートナーから購入して商品化する。消費者には数十万円程度の報酬が支払われる。

架空商品モールでは消費者が困っていることなどを書き込むとAIが解決につながる商品を提案する

たとえば「部屋を好きな香りで満たしたいが、面倒なことは一切したくない」と入力すると、AIが「こするだけで香りがあふれ出すアロマストーン」という架空商品を作り出す。

モールに並ぶ商品は需要の高い順にランキングで表示し、メーカーが商品化の判断をしやすくする。開発の前段階で需要を予測できるため、新規事業の成功率を高められる。実際の商品の完成後には販路拡大に向けてSNS運用のほかコンセプト動画やプレスリリースの作成も支援する。

2027年度には消費者が投稿する架空の商品数を3200点、メーカーの採用数を160点まで増やす。NTT DXパートナーの長谷部豊代表取締役は「27年度には売上高5億円規模に育てたい」と述べた。

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