パナソニックホールディングス(HD)は25日、次世代太陽電池の本命とされる「ペロブスカイト型太陽電池」事業に2026年に参入する方針を示した。28年までとしていた従来計画を前倒しする。自社開発したペロブスカイト型太陽電池と、住宅の建材を組み合わせ「発電するガラス」としての用途を開拓する。
小川立夫グループ最高技術責任者(CTO)が25日、建材一体型の太陽電池の試験販売を計画より2年早く26年に始める考えを明らかにした。厚さ1マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下の太陽電池の層を2枚のガラスにはさみ、横1メートル、縦1.8メートルの建材にして販売する。
設置場所を選ばず景観も損ねにくいため、都市部の高層ビルの窓や壁、屋根などで使えるとみる。試験販売を通じ、ビルに使うエネルギー消費量を実質ゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の実現にどれだけ効果があるか検証する。
ペロブスカイト型太陽電池を将来的に数百億円の事業に育てる。パナソニックHDは販売に先立ち、24年秋にも大阪府守口市の研究開発拠点に建材一体型の太陽電池の試作ラインを設ける見通し。
小川氏は25日、パナソニックHDとしては9年ぶりとなる技術未来ビジョンを公表した。2040年のあるべき姿を想定し、iPS細胞の小型培養装置を使った地域医療の高度化などにも取り組むとした。自社で培った技術シーズを公開し、他社の知見と組み合わせることで新たな事業創出を目指す。
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