日野自動車が25日発表した2024年4〜6月期の連結決算は最終損益が2億円の赤字(前年同期は165億円の赤字)だった。エンジン不正にからんで前年同期に約130億円の特別損失を計上した反動で赤字幅は縮小したが、別の関連損失5億円が発生した。
売上高は11%増の4110億円だった。為替が円安に振れたことに加え、海外で製品の価格を引き上げたことも収益を押し上げた。
世界販売台数は2321台減の2万9015台だった。国内では、エンジン不正の影響で出荷が止まっていた主力の大型トラック「プロフィア」の供給が正常化し、販売台数は875台増の9988台だった。だが、海外販売は3196台減の1万9027台にとどまった。
海外での落ち込みは、金利高の影響で経済が低迷している東南アジアで顕著だった。インドネシアは石炭価格の下落に伴って需要が低迷し、505台減の4038台に。自動車ローンの審査が厳格化しているタイは1053台減の1879台だった。
25日にオンラインで記者会見した中野靖最高財務責任者(CFO)は、海外市況について「インドネシアは下半期に回復していくと考えているが、タイは非常に悪くて年度内に需要が戻ってくるとはみていない」と話した。
営業利益は円安の影響で前年同期の5.6倍の63億円だった。要因別では、為替の影響が最も大きく、利益を75億円押し上げた。大型トラックの販売が伸びた国内は47億円の増益となり、海外での販売不振を補った。
22年に発覚した燃費や排ガスの不正の影響が長期化し、最終損益の改善を妨げている。顧客や取引先への補償費などとして今回、新たに5億円の特別損失を計上した。経常利益は87%増の53億円で、保有株式の売却益48億円も捻出したが、最終黒字の確保に至らなかった。
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