ダイセルの生分解性プラスチック「CAFBLO(キャフブロ)」を使って3Dプリンターで建てる(イメージ)

竹中工務店は26日、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の会場に環境負荷を抑えた建材を用いて仮設休憩所を建設すると発表した。生分解性プラスチックや植物の種を採用し、時間の経過とともに分解される。「森になる建築」としてアピールし、使用後に廃棄物となる仮設建築物の課題を解決する。

休憩所は直径4.65メートル、高さ2.95メートルのドーム状の建物2棟からなる。木造の大屋根(リング)の内側にある「大地の広場」で8月に着工し、25年4月に完成する。先端技術を万博会場で実用的に紹介する「未来社会ショーケース事業」の一環だ。

建設用3次元(3D)プリンターを使って現地で建てる。素材にはダイセルが開発した海中でも分解しやすい植物由来の生分解性プラスチック「CAFBLO(キャフブロ)」を使う。植物の種や古紙を混ぜて作った紙も建物の外装に採用し、万博会期中に発芽・育成を促す。

竹中工務店は4月に千葉県内の技術研究所で実物大の3Dプリントを成功させた。同社によると、生分解性プラスチックを材料として建設用3Dプリンターで建てる建物としては世界最大の規模となる。万博会場での建設に向けて、種が入った紙を手すきで作るイベントや育った植物の配布を検討しており、連携先を見つける。

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