クラレは不織布事業を縮小する

クラレは26日、フィルターなどに使われる不織布の生産能力を削減すると発表した。主に汎用品向けに使われる不織布は事業撤退し、高付加価値製品も規模を縮小して不織布全体の生産能力を9割減らす。競合他社の影響で供給過剰となっており、収益が悪化していた。

不織布を製造する子会社のクラレクラフレックス(大阪市)の岡山市の工場で、主に汎用品向けに使われる「乾式不織布」などの生産を2024年12月に終え、25年3月末に撤退する。従業員は再配置や出向などで調整する方針だ。

産業用フィルターや医療用など向けの比較的高付加価値な不織布については工場の生産ラインを24年6月に停止し、クラレの愛媛県の事業所に集約した。

クラレクラフレックスの23年12月期の純損益は5億円の赤字。撤退・集約後の不織布事業全体の生産能力は年1800トンと9割減る。高付加価値製品の能力は従来の6割強を残す。汎用品向けの乾式不織布は生産能力は大きいが競争が厳しく収益力は低い。高い伸縮性を持つなど付加価値の高い製品で収益の改善を目指す。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。