厚生労働省が30日に発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01ポイント低下し、1.23倍だった。低下は3カ月連続で、2022年3月以来27カ月ぶりの低水準だった。

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 有効求人倍率は、全国のハローワークに登録している求職者1人あたり何件の求人があるかを示す。6月の有効求職者数は前月比0.6%増の約202万人、有効求人数は同0.1%減の約234万人だった。

製造業の求人が最も減少

 厚労省の担当者によると、賃上げ機運の高まりで、好待遇を求めて転職を考える人が引き続き多い。一方、物価高や円安が業績を圧迫している影響で、求人数は勢いを欠いている。昨年に比べて6月の平日が2日少なく、企業が求人を出す機会が減ったことも響いたという。

 企業の足元の採用意欲を示す新規求人数(原数値)は前年同月比で9.4%減だった。産業別で最も減少幅が大きかったのは製造業(14.6%減)で、生活関連サービス・娯楽業(13.7%減)、建設業(12.8%減)と続くなど、主要産業の多くで大幅に減った。

 また、総務省が同日発表した6月の完全失業率(季節調整値)は2.5%で、前月から0.1ポイント低下し、5カ月ぶりに改善した。(楢崎貴司)

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