MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)傘下のMS&ADインターリスク総研(東京・千代田)は30日、企業のサプライチェーン(供給網)の人権侵害リスクの調査サービスを始めたと発表した。法令違反や不正な取引、労働環境の実態について、世界各国の専門調査員がデューデリジェンス(査定)を行う。
HD傘下のMS&ADベンチャーズが出資する、英スタートアップのグランドトゥルースインテリジェンスと提携する。同社は弁護士や軍経験者など2500人超の専門調査員を各国に抱えている。
調査手法は、SNSや各種サイトなどでの情報収集や現地の有償情報サービスによるオンライン調査と、企業周辺への訪問調査や関係者へのヒアリングによる実地調査とを組み合わせる。費用はオンライン調査が40万円から、現地調査が100万円からとなる。現地調査は北朝鮮とイラン以外の全ての地域に対応する。
結果は20ページ超の報告書として各項目のリスク評価をまとめ、当該企業への改善要請や取引の継続に関するコンサルティングも行う。
人権リスクの管理は各国政府が推奨している。経済産業省は2022年9月、供給網の人権尊重のための企業向けガイドラインを公表した。欧州連合(EU)の加盟国からなる閣僚理事会も24年5月、供給網での人権侵害などのリスクを管理し、必要な対策を企業に義務付ける指令を採択し成立させた。
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