トヨタ自動車の佐藤恒治社長は31日、国土交通省で是正命令を受けた直後に記者団の取材に応じた。「皆さまに多大なご心配、ご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げたい」と謝罪。今回、トヨタ側が「ない」としていた新たな不正が判明するなど、一連の認証不正問題の背景については「現場、そして経営の両面に課題がある」と述べた。

 国交省は是正命令に際して、トヨタに対して経営層による統治体制の強化や遵法(じゅんぽう)意識の向上などを求めた。報道陣から自身や豊田章男会長の経営責任について問われた佐藤氏は、「先頭に立って改善していくことこそが経営責任」だと答えた。

 トヨタは5日に国交省に対して、6月に報告した7車種に関わるもののほかに、新たな不正はなかったとする社内調査結果を報告していた。この日公表された国交省の調査で新たな不正が指摘されたことについて、佐藤氏は「我々の調査での前提条件の置き方や結果の理解について甘かった部分があった」と説明。「認証そのものが現場に依存した体質になっているということを、我々経営陣はしっかりと反省しなければいけない」とした。(西山明宏)

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