【フランクフルト=林英樹】ドイツ航空大手ルフトハンザが31日発表した2024年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比47%減の4億6900万ユーロ(約760億円)だった。相次ぐストライキに加え、アジア便での航空券価格の下落が収益を圧迫した。採算改善のため、24年冬の運航便を減らすことを検討する。
営業利益に相当する調整後EBIT(利払い・税引き前利益)は37%減の6億8600万ユーロ、営業利益率は11.6%から6.9%に下がった。4〜6月の乗客数は約3600万人と前年同期比で8%増え、売上高は7%増の100億700万ユーロだった。
減益要因のひとつは、人手不足と高インフレによって頻発しているストだ。欠航や代替交通手段の確保などで1億ユーロの損失が生じた。さらに中国航空大手の攻勢を受け、アジア方面の航空券価格が下がった。
1〜6月の最終損益は2億6500万ユーロの赤字(前年同期は4億1400万ユーロの黒字)となった。カーステン・シュポア最高経営責任者(CEO)は「ストなど特殊要因の影響が大きく、再建プログラムで最適化を進めていく」と述べ、運航便の削減などで利益率の改善を図る考えを示した。
ルフトハンザは10〜12月にイタリア国営航空ITAエアウェイズ(旧アリタリア航空)の株式41%を取得する予定だ。将来的に完全買収も検討している。
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