京セラが1日発表した2024年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比2%減の367億円だった。自動車向けの電子部品が不振だったほか、半導体関連では急成長する生成AI(人工知能)サーバー分野への取り組みが遅れていることが響いた。

売上高は4%増の4988億円、営業利益は18%減の209億円だった。平均為替レートが1ドル=156円と前年同期から19円ほど円安となったことで390億円の増収効果があったが、米子会社が手掛ける欧州自動車メーカー向けコンデンサーなど電子部品の販売が落ち込み、工場稼働率が低下したことが響いた。

オンラインで会見する京セラの谷本社長(1日)

電子部品事業に限ると税引き前利益は74%減の10億円に落ち込んだ。1日のオンライン記者会見で谷本秀夫社長は「欧州などの自動車メーカーの業績悪化が響いた」と話した。

半導体用有機パッケージも不調で、コアコンポーネント事業の税引き前利益は10%減の124億円だった。生成AIサーバーに使われる画像処理半導体(GPU)関連の市場は世界的に急成長しているが、谷本社長は「GPUのパッケージなどの需要取り込みが遅れていた」と説明する。

半導体や情報通信関連の市場全体の回復は10月以降とみる。谷本社長は「スマホ向けの回復が想定より早い一方で車載が予想より悪いなど、まだら模様だ」と話す。

25年3月期通期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比2%増の2兆500億円、純利益は11%増の1120億円になる見通し。想定為替レートは1ドル=145円と期初時点から変更しなかった。足元では円高が進行しているが、「まだ想定の範囲内で特別な対応はしていない」(谷本社長)という。

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