主力の時計事業は国内や欧州で好調だった

カシオ計算機が1日発表した2024年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比79%増の61億円だった。主力の時計事業は欧州やインバウンド(訪日外国人)需要が増えた国内で好調に推移した。遊休不動産や投資有価証券などの売却益計42億円も利益水準を押し上げ、この期間としては3年ぶりの増益だった。

売上高は前年同期比4%増の652億円、営業利益は5%増の45億円だった。時計事業の地域別売上高は欧州が現地通貨ベースで6%、日本は5%伸びた。日本でのインバウンド比率は11%と24年3月期から3ポイント高まった。

一方、中国の時計事業の売上高は景気の低迷が響き現地通貨ベースで31%減った。同日、日本経済新聞の取材に応じた増田裕一社長は「中国の見通しは不透明で、しばらくは厳しい事業環境が続くだろう」と話した。インドや東南アジア諸国連合(ASEAN)地域に注力し「新商品の投入や中高価格帯の販促強化などで事業を拡大する」(増田社長)という。

25年3月期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比2%増の2750億円、純利益は16%減の100億円を計画する。特別利益の計上は予想に織り込み済みで、24年7〜9月期以降も構造改革による特別損失が生じる見通しだ。

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