▼レアメタル 埋蔵量が少ないほか、採掘や精錬にコストがかかるなどの理由から流通量が少ない希少金属を指す。リチウムやニッケル、コバルト、ゲルマニウムなどおよそ30種類ある。自動車のモーターや蓄電池、発光ダイオード(LED)や電子部品に使われており、産業の脱炭素化やデジタル化には欠かせない。

中国やロシア、アフリカといった特定の地域に偏在している場合が多く、日本は輸入に頼る。産出国の事情によって供給途絶や価格が変動するリスクをともなう。日本政府は2023年にカナダとの間でサプライチェーン(供給網)の覚書を交わしたほか、コバルトが豊富なコンゴ民主共和国での資源の共同探査などを通じて確保を図る。

使用済み蓄電池などは「都市鉱山」として再活用が期待される。蓄電池を粉砕して「ブラックマス」にしたうえで、レアメタルを抽出する工程を経る。素材の抽出はまだ商用化されていない。リサイクル大手のVOLTAは年間1400トンの都市鉱山をブラックマスに変えるが、先行する海外への輸出が大半だ。政府は国内の抽出技術の支援を急ぐ。

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