ジャパンディスプレイ(JDI)は2日、1つの画面で見る角度によって違う映像を流せる車載向け液晶ディスプレーを開発したと発表した。自動車の運転席にはカーナビの情報を映しながら、助手席には映画を流すといった使い方ができる。25年から量産を始め、2030年に売上高1000億円以上を目指す。
1つの画面に異なる映像を流すために、画像処理用の半導体を独自で開発した。運転席と助手席のどちら側から操作しているかも判別できるタッチパネルの技術も搭載した。解像度と明るさを2倍に高めた。
すでに中国や欧州の自動車メーカーと商談を進めており、一部車種での採用が決まったという。今後は空港などの公共施設の案内板での活用も想定する。スコット・キャロン会長は同日に都内で開いた新製品発表会で「1兆円の売り上げ規模を見込める革命的な技術だ」と強調した。
JDIは2024年3月期に10年連続の連結最終赤字を計上した。業績の立て直しに向けて、スマートフォン向けの液晶パネルから撤退する一方で、車載やスマートウオッチ向けのディスプレーを「コア事業」に位置付けている。
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