長野県の阿部守一知事は22日、長野県庁でJR東海の丹羽俊介社長と会談し、リニア中央新幹線の新たな開業時期を早期に示すことや、県内に新たな工事事務所を設けることなどを要望した。会談は長野県側の要望で実現し、公開で約1時間行われた。
阿部知事は「開業が変更になることは地域や企業の絵図が変わる」と自治体など関係者への説明を求めた上で、「2027年の次の目標をどうするかは我々にとって切実な課題」と強調した。
丹羽社長は静岡工区のトンネル工事について「着手の見通しが立たないので、現時点で工期は見通せない」と説明した。トンネル工事が進む長野県大鹿村では6月ごろに説明会を開き、工事の進捗や見通しを明らかにする予定だ。駅建設が進む飯田市でも7月ごろに説明会を開くとした。
阿部知事は地域と密にコミュニケーションを取り、今後の工事を円滑に進めるために、南木曽町や阿智村に工事事務所の分室を設けることを提案した。県内には飯田市に工事事務所が、大鹿村には工事事務所の分室がある。知事はほかに飯田市の仮称「長野県駅」の停車本数増も求めており、今後も開催予定のトップ会談で協議を続ける。
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