大幅に下落した日経平均株価の終値を示すモニター=東京都中央区で2024年8月5日午後3時2分、猪飼健史撮影

 東京・銀座の投資家バー「ストックピッカーズ」では5日、開店直後の午後5時過ぎから常連客が集まり、投資談議に花を咲かせていた。日経平均株価の下げ幅はこの日、過去最大を記録。連動する金融商品や日本株を保有していれば損失が生じるが、投資歴35年ほどの男性(59)は「リスク管理ができていたので損失はなかった」と語る。

 この男性はバブル崩壊で約200万円の損を出した経験から「急な値上がりには敏感だった」といい、7月から日本株を手放し始めた。7月18日の日経平均株価の終値が前日比971円安となった値動きから「下落トレンドに入る」と感じ、新NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠で購入した銘柄も売却して利益を確定していたという。

 投資経験が豊富な常連客は一様に「今日の下げは想定内」と話すが、1月から新NISAを始めた初心者は動揺して投資から手を引きかねない。投資歴22年という別の男性(54)は「日経平均が今後も成長すると信じられるなら保持していればいい。ここで手放しても損をするだけ。特にNISAで始めた積み立て投資ならやめる時ではない」とアドバイスした。【中島昭告】

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