ロームは22日、スイスの半導体メーカーSTマイクロエレクトロニクスと結んでいる炭化ケイ素(SiC)製ウエハーの供給契約を延長すると発表した。供給契約を複数年延ばして、2.3億ドル(約360億円)以上の取引額を見込む。自動車や産業機器向けに需要が伸びているパワー半導体の材料となるSiCを安定供給する。
直径6インチ(150ミリメートル)のSiCウエハーを供給する。モーターなどの電流や電圧を制御するパワー半導体は従来、シリコンウエハー基板に電気回路を形成した製品が主流だったが、省エネ性能に優れたSiCウエハーを使う製品の需要が伸びている。ロームはSiCウエハーの生産から、パワー半導体の製造まで手掛けているが、ウエハーを外部顧客にも供給することで事業を安定化させる狙いだ。
STマイクロに対しては、ロームの独子会社のサイクリスタルを通じて、2020年からSiCウエハーを供給している。23年までの4年間で1.8億ドルの取引があり、契約の延長で供給を拡大したい考えだ。
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