備蓄する石油の在庫評価益が原油価格上昇や円安で膨らんだ(出光のガソリンスタンド)

出光興産が6日発表した2024年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比2.1倍の950億円だった。原油価格の上昇と円安により、備蓄する石油の在庫評価損益が大きく改善した。石炭価格の下落やガソリン販売量の減少の影響を補った。

売上高は24%増の2兆2602億円、営業利益は2.7倍の1225億円だった。調達の指標となるドバイ原油価格は1バレル85.3ドルと9.6%上がった。在庫評価損益は480億円の差益(前年同期は47億円の差損)に転換した。石油製品の利幅も堅調に推移した。

石油元売り会社は法律に基づき、国内消費量の70日分以上を備蓄する義務がある。原油価格の上昇と円安が進むと仕入れ時に比べて在庫の価値が膨らみ、会計上の利益になる。

25年3月期通期の業績予想は従来予想を据え置いた。純利益は前期比45%減の1250億円を見込む。4〜6月期業績は主力の燃料油事業を中心に計画を上回ったが、足元の原油価格の下落や円高傾向などを踏まえた。

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