国立がん研究センター発のJmees(千葉県柏市)と国立がん研究センターは8日、共同開発した内視鏡による子宮の全摘出手術を人工知能(AI)で支援するシステムの製造販売承認を厚生労働省から受けたと発表した。手術時の損傷リスクのある部位を表示し、医師を支援する。
システム名は「SurVis-Hys(サービス・ヒス)」。内視鏡を使った子宮の全摘出手術の際に損傷リスクのあるぼうこうと尿管に着目した。サービス・ヒスのAIがこの2つの臓器の位置をモニターで色分けして表示する。
2023年7月に厚労省に製造販売承認を申請し、24年8月2日に承認を取得した。性能評価ではぼうこうと尿管を特定する「感度」がシステムを使わない場合と比べて約15ポイント上昇することを確認した。熟練医師に比べ若手医師の上昇率がより大きかった。
今後、全国の複数の医療機関でシステムを活用して臨床試験を実施する。1年ほどかけて損傷リスク低減を示すエビデンス(科学的根拠)を集めた上で販売を始める。
国立がん研究センター東病院婦人科の田部宏医師は「システムの活用で患者の合併症の軽減や外科医育成など様々な面でメリットが期待できる」とのコメントを出した。
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