飲料や酒類事業の主力ブランドが好調で、値上げも浸透した

サントリーホールディングス(HD)が9日発表した2024年1〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比8%増の926億円だった。同期間として過去最高を更新した。飲料や酒類事業の主力ブランドが好調で、値上げも浸透した。為替の円安傾向も102億円の増益要因となった。

売上高にあたる売上収益は7%増の1兆6491億円、営業利益は11%増の1866億円と、いずれも最高だった。飲料・食品事業は9%の増収、15%の増益だった。国内では23年10月に大型ペットボトル飲料を値上げしたが、猛暑も後押しして主力の「サントリー天然水」の販売数量は3%伸びた。

酒類事業は3%の増収、18%の増益だった。同事業の約8割を占めるウイスキーなどのスピリッツ事業は4%の増収だった。ジン「翠(すい)」は、ブランド刷新効果やジンをソーダで割るマーケティングが奏功して販売数量が19%増えた。ウイスキー「ジムビーム」も前年を上回った。4月のジャパニーズウイスキー値上げも浸透した。

酒類の約2割を占めるビール事業の売上収益は横ばいだった。ビール系飲料全体の販売数量は1〜6月で前年同期比5%減ったものの、減税の恩恵を受ける発泡酒を除くビールの販売数量は2%増えた。3月に飲食店向けの瓶・たるを投入した「サントリー生ビール」の数量は30%伸びた。

24年12月期通期の業績予想は据え置いた。売上収益が前期比5%増の3兆4500億円、営業利益が1%増の3200億円、純利益が11%減の1530億円を見込む。前期に計上した、米国を中心とした税制改正による税額控除などの利益分がなくなる反動で最終減益になる。

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