一般ドライバーが自家用車で客を運ぶ「日本版ライドシェア」の運行が始まって約4カ月。民間調査で、約8割の人が「利用したくない」と考えている実態が浮かんだ。タクシー不足を補う目的で4月から東京23区や京都市など一部地域でスタートし、国は普及を急いでいるが、利用者には思うように受け入れられていない面もあるようだ。
調査は6月下旬、民間調査会社のMM総研(東京都港区)が全国の15~79歳の男女1000人を対象にインターネットで実施した。
「日本版ライドシェア」を利用したいか尋ねたところ、「利用したい」との回答は18・3%にとどまり、「利用したくない」が81・7%に上った。
「利用するメリット」(複数回答)については、「タクシーと比べて料金が抑えられる」が21・5%で最多だった。ただ現行のライドシェア運賃はタクシーと同水準で、誤った認識が広まっているとみられる。
逆に「デメリット」(同)は、「犯罪などに巻き込まれる可能性がある」(31・1%)、「トラブル発生時の対応方針が不安」(28・5%)、「ドライバーの運転の安全管理体制が不安」(22・9%)が多く、安全性や運転の質などを不安に感じる声が目立った。
現在はタクシー事業者が主体となり、タクシーが不足する地域や曜日、時間帯に限って運行できる日本版ライドシェアの今後の方向性についても聞いた。「日本版のまま広げるべきだ」は33・6%、「日本版でエリアや時間帯もこのまま」は26・7%で、合わせて6割が現行の「日本版」に肯定的な見方を示した。
一方、「タクシー会社が運行主体にならない有償型ライドシェアサービスの全面解禁」は16・5%、「有償型ライドシェア自体を廃止」は19・1%。政府がタクシー会社以外も参入できる新法の議論を開始する方針を示すなか、現行制度に否定的な考えを持つ人の意見は「全面解禁」と「廃止」に割れた。【嶋田夕子】
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