丸広の東松山店が70年の歴史に幕を閉じる(15日、埼玉県東松山市)

埼玉県東松山市で70年の歴史がある丸広百貨店の東松山店が18日、閉店する。競合するスーパーやショッピングセンターの出店が近隣で相次ぎ、売り上げは足元の10年間で4割ほど減少していた。23日から市内の商業施設で小型店を営業する。ギフト需要に応え、地域とのつながりを残していく。

東松山店は1954年に東松山市に出店し、70年に現在の場所に移転した。東武東上線の東松山駅から徒歩10分以内でアクセスできる好立地にあり、店舗に連なる街路は「まるひろ通り」として地域に親しまれた。丸広百貨店の本社によると、店舗の老朽化も進んでおり、建物をリニューアルするコストなども考慮して閉店を決めた。

地元の松山女子高等学校の書道部が感謝の書を贈った

同店の駐車場が地域の祭りの会場になったり、店内で美術品の展示会が行われたりと、街のランドマークであり続けた。閉店を受けて入り口に飾られたボードには、長年親しんだ客から「文化のともしびが消える」と惜しむ声も記された。

百貨店事業は撤退となるが、現在の場所から徒歩で15分ほどの場所にある大型商業施設のビバモール東松山に23日、小型店の「まるひろmini」をオープンする。お中元やお歳暮をはじめとしたギフトの需要は根強く、菓子やタオル、カタログギフトなどをそろえる。市内の中学・高校の学校指定品も扱う。

市内に住む30代の女性は「子どものころから慣れ親しんだ百貨店。東武東上線を通じて川越店などに買い物に行きたい」と話していた。

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