帰省・観光客で混雑するJR東京駅の新幹線ホーム(10日)

JR旅客6社は19日、お盆期間(9〜18日)の新幹線・在来線特急の主要区間の利用者が、前年同期比7%増の1223万6000人だったと発表した。旅行や帰省の利用が堅調に推移した。

7月末時点で前年同期比21%増だった指定席の予約と比べると、実際の利用はそこまで伸びなかった。台風5・7号の影響により新幹線など一部列車に運休した影響が出たと見られる。

新型コロナウイルス禍前の2018年のお盆と比べると、92%の水準だった。23年のお盆は台風や集中豪雨の影響もあり、コロナ禍前の8割台の水準だった。

JR各社ごとにみると、JR東日本の利用者数は444万9000人と前年同期から5%増えた。コロナ禍前の91%の水準だった。「台風7号の接近などを受けて旅行や帰省を控えた旅客も一部みられた」(同社)。16日に台風で一部運休した東北新幹線は、お盆期間全体では前年同期と比べ4〜10%増えた。同じく計画運休のあった上越新幹線は10%増だった。

JR東海は7%増の377万4000人だった。コロナ禍前と比べると92%の水準にとどまった。東海道新幹線の東京―名古屋間で16日の運行を終日取りやめた影響が出た。23年度の年末年始や今年のゴールデンウイークに続き、お盆期間中は「のぞみ」を全車指定席で走らせた。お盆期間中としては初めてで、「利用客への理解も広がっており、今後のピーク期間も全席指定で運行する」(同社)という。

JR西日本は8%増の285万1000人だった。山陽新幹線が7%増え、3月に金沢―敦賀間が延伸した北陸新幹線は26%伸びた。JR九州は10%増の73万8000人だった。

お盆前の8日には宮崎県で最大震度6弱を観測する地震が発生した。気象庁は同日から15日夕にかけて南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を呼びかけた。

JR東海の新幹線鉄道事業本部の古屋学指令担当課長は「注意情報を受けて旅行を控える動きがあった可能性もある」と言及した。JR東の鉄道事業本部の蔵冨秀穂ユニットリーダーは「外出取りやめへの影響がどの程度あったかの判断は難しい」と話した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。