JR九州は20日、2023年度に1日の平均通過人員(輸送密度)が2000人未満となったローカル線は13路線18区間だったと発表した。合計で約55億円の営業赤字となった。久大線などの一部区間で観光客が回復するなどして22年度(14路線20区間)から対象線区が減少した。
22年度に輸送密度が2000人未満だった区間のうち、23年度に2000人以上となり対象から外れたのは久大線の日田―由布院間と由布院―大分間、日田彦山線の城野―田川後藤寺間の3区間。一方、大雨に伴う運休で輸送密度の算出対象から外していた日南線の油津―志布志間は23年度から2000人未満の線区に計上された。
区間別に営業赤字をみると、日南線の田吉―油津間が7億300万円で最大だった。日豊線の佐伯―延岡間(5億3300万円)、指宿枕崎線の指宿―枕崎間(4億6200万円)が続いた。22年度と比較可能な17区間については合計の赤字幅が約1億5000万円拡大した。輸送密度は日南線の油津―志布志間が1日あたり179人と最少だった。
同日発表した23年度の駅別乗車人員では、由布院駅(1341人)が22年度比56%増と伸び幅でトップだった。観光地の各拠点駅が新型コロナウイルス禍からの回復で大きく増やしたほか、台湾積体電路製造(TSMC)の工場に近い原水駅(1445人)も同33%増と大きな伸び幅を記録した。
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