オフィスに設置した専用の冷蔵庫からサラダや旬の果物などが好きな時に食べられる

企業のオフィスに冷蔵庫を設置しサラダなどを提供する「置き社食」のKOMPEITO(コンペイトウ、東京・品川)は20日、ベンチャーキャピタル(VC)など14社を引受先とする第三者割当増資で10億7000万円を調達したと発表した。地方の顧客開拓に向けた営業人員の増強や、M&A(合併・買収)などに充てる。

同社が手掛ける「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」はオフィスに設置した専用の冷蔵庫からサラダや旬の果物、総菜などが好きな時に食べられる社食サービスだ。足元では地方で顧客が拡大。約1万3000台に上る累計導入台数のうち、東京や大阪など大都市圏以外の比率は52%と20年時点(19%)と比べて大幅に上昇した。

首都圏でも社員食堂の代わりに「置き社食」を導入する企業が増えており、2024年8月期の売上高は前期比8割増となる見通し。今後は調達資金で営業職を中心に採用を強化する。現在社員数は約110人だが1年後に160人まで増やす計画。地方銀行を中心に約60行ある営業連携先を信用金庫や信用組合にも広げる。

地域ごとに効率的に食品を仕入れる仕組みをつくるため、M&Aを進める。渡辺瞬代表は「総菜やサラダを作るメーカーや地方のスーパーマーケットを買収したい」と意欲を示す。5月に米ロサンゼルスに支社を設立し、海外展開に備える。

第三者割当増資はVCのJICベンチャー・グロース・インベストメンツやあおぞら企業投資などが引き受けた。それとは別に商工中金やりそな銀行など4行から11億円を借り入れた。

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