▼デング熱 ネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊がウイルスを媒介する感染症。世界保健機関(WHO)によると、世界で年3億9000万人が感染しているとされる。アジアやアフリカ、中南米など熱帯・亜熱帯地域での感染が多い。温暖化に伴う蚊の生息域の拡大や、人の移動の増加などに伴って感染地が拡大している。
WHOが確認した2023年の世界の症例数は過去最高を記録した。24年も前年を上回る勢いで増えている。日本でも感染者が出ており、14年には160人の感染が報告された。16年には海外からの帰国者が重症化して死亡している。蚊に刺されてから4〜10日間の潜伏期間を経て発症する。致死率は1%未満とみられる。
有効な治療薬はない。解熱剤の使用や集中治療といった対症療法が中心となる。ワクチンは武田薬品工業と仏サノフィが実用化している。サノフィの製品は過去にデング熱に感染したことがある人にしか使用できない。武田薬品のワクチンは感染歴の有無に関係なく使え、WHOが接種を推奨している。
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