政府は29日にまとめた8月の月例経済報告で、国内の景気判断を「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と上方修正した。1年3カ月ぶりに判断を引き上げた。猛暑の影響でエアコンなどの販売が好調だったことから、個人消費の判断も1年3カ月ぶりに上方修正した。

個人消費については「持ち直しに足踏みがみられる」から「一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる」に判断を引き上げた。猛暑でエアコン以外にも、アイスクリームや日傘といった商品の売れ行きがよかった。

8月はパリ五輪があり、テレビの売り上げも伸びた。一部自動車メーカーの出荷停止の影響が和らいだことで新車の販売も改善した。外食も緩やかな増加が続いている。

内閣府の担当者は「消費者マインドは物価上昇の影響もあり、足踏み状態が続いている」と説明した。国内旅行では日本人の国内延べ宿泊者数が新型コロナウイルス禍前の水準に回復したものの、需要が一服している。海外旅行は円安の影響もあって、コロナ前の6〜7割で推移している。

住宅建設の判断は「おおむね横ばいとなっている」と2年2カ月ぶりに上方修正した。資材高などで住宅着工は弱含みが続いていたものの、戸建ての新設住宅着工戸数が底堅く推移している。

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