アシストスーツによる身体負担の軽減を体感できる(29日、岡山市)

医療用品メーカーのダイヤ工業(岡山市)はアシストスーツの展示施設を開設する。体験だけでなく、商談なども可能な点が特徴。ミズノなどに自社も加えた9社の製品を展示し、作業現場を再現した環境で比較できる。複数社を比較する機会はイベントなどに限られていた。

岡山市に設ける「アシストスーツミュージアム」の体験エリアには前屈や持ち上げなどの作業シーン別に7種類の体験ゾーンを設置する。コンテナの積み下ろしやビス打ち、介護の移乗作業などを各社の製品を装着して体験できる。来場者が負担を軽減したいと考える作業に応じて適切な商品を案内する。

9月2日から11月30日まで日曜祝日を除き開館し、無料で入館できる。ダイヤ工業の社員が常駐し、商品を提案したり装着の仕方を指導したりする。3カ月で3000人の来場を目標にする。

高齢化や人手不足などを背景にアシストスーツの需要は高まっている。身体負担が大きい仕事ではスキルを身につけても、ヘルニアなど再発の懸念があるけがをしてしまうと働き続けることが難しい。スーツを装着することで、けがを予防しながら長く働くだけでなく、高齢になってからも継続することが可能になるという。

競合他社が参加したことについて、松尾浩紀社長は「市場活性化に向けて同じ思いを共有していることで実現した」と話している。自社製品にこだわらずニーズに合った製品を案内することで、スーツの価値を客観的に知ってもらう場にする方針だ。

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