ニューヨーク証券取引所=米東部ニューヨークで2016年8月、清水憲司撮影

 3連休明け3日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均は前週末比626・15ドル安の4万936・93ドルで取引を終えた。米経済の減速懸念から幅広い銘柄が売られ、下げ幅は一時700ドルを超えた。米連邦準備制度理事会(FRB)が4年半ぶりに利下げを決めるとみられる17、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、市場は神経質になっている。

 3日発表の製造業関連の経済指標が市場予想を下回ったことで、「米経済が想定以上に減速している」との懸念が広がった。業績好調の半導体大手エヌビディアが10%近く下落するなど、ダウ平均構成銘柄以外でも売り注文が膨らんだ。

 ダウ平均は8月29、30日と2日連続で史上最高値を更新した。だが、FRBのパウエル議長が8月下旬の講演で、金融引き締めの長期化による雇用悪化に警戒感を示すなど景気の先行き懸念も強まっている。「疑心暗鬼となった投資家が経済指標に一喜一憂し、株価が過剰に動く」(米アナリスト)展開になっており、当面は不安定な値動きが続きそうだ。

 パウエル氏は9月会合での利下げを事実上明言。下げ幅については労働市場の動向を重視する考えを示しており、市場では6日発表の8月の米雇用統計に注目が集まっている。【ワシントン大久保渉】

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