日本製鉄は4日、米鉄鋼大手USスチール買収完了後に取締役の過半数を米国籍とするなどのガバナンス(企業統治)方針を公表した。ペンシルベニア州ピッツバーグのUSスチール本社を維持した上で、取締役会に少なくとも米国籍の独立取締役3人を置き、「経営陣の中枢メンバーは米国籍とする」と明示した。
日鉄のUSスチール買収を巡っては、11月の米大統領選に向けた民主、共和両党候補のハリス副大統領、トランプ前大統領が反対を表明しており、日本企業による買収への懸念を和らげる狙いがあるとみられる。
方針ではUSスチールについて、「米国企業として存在し続ける」と主張。総額27億ドル(約3900億円)をUSスチールの既存の生産拠点に投資するほか、買収に伴うレイオフ(一時解雇)や工場閉鎖は労組と合意した例外を除き行わないとした。
また、USスチールが不公正な貿易に対して米国法に基づく措置を取る場合、日鉄は干渉しない。通商措置に関する決定は、独立取締役の過半数の承認を必要とするとしている。
日本製鉄本社が入るビルの前に掲げられた看板=東京都千代田区
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