トヨタ自動車東日本は認証不正の影響で生産を停止していた「ヤリスクロス」など3車種の生産を4日夜に再開した。約3カ月で計3万台程度の生産ができなかったとみられる。部品メーカーなど東北の関連産業は停止期間中の補償を得られることや3車種以外の増産もあり、影響は最小限に抑えられたようだ。
トヨタ東日本と取引のある地元企業は「他車種の増産もあり、生産停止の影響は大きくなかった。3車種の挽回生産にも期待したい」と話す。他のメーカーも「今後の生産計画が後ろ倒しになるなどの変更は現時点でない」という。
地元企業の話を総合すると、関連産業で従業員の雇用削減や生産ラインの完全停止といった大きな影響は出なかった。一部の企業では生産調整などを迫られたが、トヨタ東日本も生産・出荷停止とならなかった他車種を増産し、工場の稼働率維持に努めた。
トヨタ東日本は「お客様や仕入れ先など多くの関係者に迷惑をかけた。1日でも早くお待たせしているお客様に車を届けられるよう、1台1台心を込めて生産していく」とコメントした。
車の量産に必要な型式指定の申請を巡り不正があったのはヤリスクロスのほか「カローラフィールダー」「カローラアクシオ」。トヨタ東日本は宮城大衡工場(宮城県大衡村)と岩手工場(岩手県金ケ崎町)で8車種を生産していた。2023年の生産台数は2工場合わせて約43万台で、不正のあった3車種は3割の約13万台を占めていた。
3車種の生産停止は6月に始まった。9月2日に再開する予定だったが、台風の影響で延期していた。
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