大同特殊鋼は9日、巨大な車体部品をアルミ鋳造で一体成型する「ギガキャスト」の工法に対応する金型用鋼の販売を始めたと発表した。従来品より割れにくくすることで金型の寿命を延ばし、大型部品の製造コストを減らす。同製品の売り上げ規模を2030年度には年間40億円に伸ばす計画だ。

販売を始めたギガキャスト向け金型鋼

ギガキャスト用の金型は従来より厚みがある大型のものが使われる。厚みがあると金型製造の工程で中心部の冷却に時間がかかり、十分な割れにくさを得ることが難しい。新しい金型用鋼は冷却時間が従来品の4倍の長さでも金型が割れにくくなるように成分を工夫した。

まずはギガキャストが先行する中国で、住友商事系の企業と連携して売り込む。大同特殊鋼が国内で製造した金型用鋼を、住商系を通じて現地の金型加工メーカーに供給したり、熱処理加工の委託を受けたりする。国内向けにも供給体制の整備を進めている。

ギガキャストは電気自動車(EV)の部品軽量化やコスト低減につながる技術として注目を集める。大同特殊鋼は新製品について日本をはじめ各国で特許を出願中という。

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