第一三共は10日、肺がんの治療薬候補「ダトポタマブ デルクステカン」の臨床試験(治験)の詳細結果を公表した。最終段階の治験では、主要評価項目として設けた死亡までの期間を示す「全生存期間」について、統計的に有意な改善が認められなかったとした。結果を踏まえて適応拡大するかなど検討し、開発を継続する。
治験は治療歴のある進行性または転移性の非小細胞肺がんを対象とした。ただ、並行して調べた「非扁平(へんぺい)上皮」の非小細胞肺がん患者468人における全生存期間は、他の抗がん剤を投与したグループと比べ臨床的に意義のある改善を示した。米国や欧州ではこの疾患領域で承認申請中にある。
ダトポタマブは英アストラゼネカと共同で開発している。がん細胞に作用する抗体に抗がん剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)の一種だ。がん細胞を直接攻撃するため、副作用のリスクを減らせるとみられる。
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