電気自動車の給電には高電圧、高電流に対応できるように静電容量の大きいコンデンサーが求められる(写真はCAシリーズ)

TDKは10日、従来に比べて静電容量を1.5倍に増やした新型の積層セラミックコンデンサー(MLCC)の量産を始めたと発表した。新型はMLCCを最大3個配列し、金属端子を工夫することで電気抵抗を約6割減らしている。電気自動車(EV)を無線で充電するユニットや車載充電器(オンボードチャージャー)での使用を想定する。

開発したのは「CAシリーズ」。従来のMLCCは容量を大きくするために縦に積み上げる方式があるが、新型はMLCCを横方向に並べることで振動に強く、金属端子を銅と鉄やニッケルの3層構造にしたことで電気抵抗も減らしている。端子の構造も変え爪状のように挟み込むようにしたことで部品の脱落を防ぐ。

新型はティア2(2次部品サプライヤー)などに売り込む。国内でまず月産10万個生産し、26年度には100万個以上の量産を目指す。サンプル価格は400〜700円。2018年にも民生機器用に少量生産をしていたが、今回は車載向けに生産設備から開発し量産体制を整えた。

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