11日の東京外国為替市場では、日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが膨らみ、円相場が一時1ドル=140円台に急騰した。円高進行を嫌気し、日経平均株価も一時前日比900円超安と大きく値を下げた。午後3時現在の円相場は141円28~29銭と前日比2円33銭の円高・ドル安。日経平均の終値は同539円39銭安の3万5619円77銭と7営業日続落した。
日銀の中川順子審議委員が午前の講演で利上げ継続に前向きな姿勢を示したことに加え、「米大統領候補のテレビ討論会で共和党のトランプ前大統領が劣勢だったとの見方が広がり、米長期金利が低下してドル売りが加速した」(国内銀行)という。市場はトランプ氏が掲げる大型減税などの政策がインフレを加速させ、米金利上昇を招くと警戒していた。
来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げ決定が確実視されている。市場では「円高・ドル安圧力が一段と強まっている」(運用会社)との声が聞かれた。
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