自らの「分身」の回答を説明する野島社長(13日、横浜市)

家電量販大手のノジマは13日、野島広司社長の人生哲学や経営思想を学ばせた生成AI(人工知能)を開発したと発表した。スマートフォンなどで使える社内向けアプリに搭載する。悩み事や課題を書き込むと、野島社長が答えそうな内容が示される。9月からまず約2000人の管理職が使えるようにして人材育成につなげる。

日立製作所のグループ会社のハピネスプラネット(東京都国分寺市)が持つ、個人の思想をAIに学ばせる技術「ブンシン」を活用した。同技術を企業の社員教育に活用するのは初めて。ノジマでは野島社長の著作物や講演の内容をAIに学習させ、社内だけで使われる専門用語にも対応した。

例えば「失敗した部下の育成に悩んでいる」という質問に対しては「結果だけでなくプロセスを評価して褒め、次へのチャレンジ意欲を引き出すように鼓舞します」などと返答する。回答時には学習元の書籍のページ数を示す。

約6000人の全従業員のほか、グループ会社の社員に利用範囲を広げることも検討する。同日記者会見した野島社長は「買収して仲間に入った企業にもノジマの考え方が浸透する速度が速まればいいと思う」と期待を話した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。