デジタルツイン技術を使い、東京・竹芝エリアを再現した「PLATEAU」の画面=国土交通省提供

 国土交通省が「デジタルツイン」の社会実装に力を入れている。今月、不動産分野での新たなサービス創出を目指し、支援する民間ビジネス6事業を選定した。提案された事業は約半年かけて実装に向けた検討・開発を進めるという。

 デジタルツインは、デジタル空間に現実と対になる双子(ツイン)の世界を創り出す技術。現実世界のあらゆるデータを集約し、モノや空間そのものを再現する。主に企業や政府などが高度なシミュレーションや管理に用いるツールとして広がっている。

 国交省は2020年、日本全国の3D都市モデルをオープンデータ化するプロジェクト「PLATEAU」(プラトー)を始めた。都市計画やまちづくりのために自治体が作成する「都市計画基本図」をベースに航空測量などの情報を加え、3D都市モデルを整備。建築物や道路のほか、信号機などの都市設備、土地の用途に関する情報なども網羅されている。

 これらのデータを活用する取り組みを進めており、23年度までに196都市のモデルを整備した。24年度中に全国250都市へ拡大する予定で、27年度までに500都市の整備を目標に掲げる。防災や観光、エネルギーなどさまざまな分野で社会実装が進行中だ。

 今回、国交省が選定したビジネスアイデアは▽MAPPLE地図ビューアとの連携による不動産各種業務の効率化(マップル)▽建築計画ボリューム検証出力サービス(くわや)▽「不動産鑑定・固定資産税・相続税」評価における活用(パスコ)▽不動産敷地内のグリーンインフラ推進による、温熱環境と人流への影響の可視化(構造計画研究所)▽画像の定量分析による眺望シミュレーションサービスの開発(森ビル)▽不動産調査支援システムの活用可能性検証(リアルグローブ)――の計6事業。【佐久間一輝】

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