今回の地価調査で、福岡県は▽商業地が6.7%、▽住宅地が3.8%上昇し、いずれも全国3位の高さになりました。
マンション需要の強さが主な要因で、福岡市とその周辺では建設が特に活発になっています。
このうち、福岡市博多区に建設中の分譲マンションは来年2月に完成予定で、最寄り駅まで徒歩2分という立地の良さが売りです。
地上14階建てで、2LDKから4LDKの間取りを取りそろえています。
販売価格は2850万円から6040万円。
土地や資材などが値上がりする中、このマンションでも当初の計画段階より5%から10%高い価格に設定したということです。
それでも、合わせて104戸のうち半数余りが契約済みで、想定通りのペースだといいます。
販売を担当する「第一交通産業マンション事業部」の大神圭祐さんは、「通勤や通学に電車を使う方のニーズがあり人気だ。近くに商店街もあって利便性が高く、順調に販売が進んでいる」と話していました。
コロナ禍を経て、福岡市ではマンション価格の上昇が続いています。
民間の調査会社、「九州産業研究所」によりますと、ことし1月から7月までに福岡市内で発売された新築マンションの平均価格は5930万円。
コロナ前の2019年の同じ時期と比べて1363万円、率にして29.8%値上がりしました。
事業者からは販売価格の高騰と日銀の利上げを受けた金利上昇の影響が今後どのような形であらわれるのか、注意深く見ていきたいという声も聞かれます。
マンションの販売担当の大神さんは、「若い世代の方には金利が上がったことで変動金利の住宅ローンを長く組むことへの不安が結構あって、固定金利で検討してみようという方も増えている。そういったお客様のニーズの変化が出てきている。福岡市内のマンションの販売は順調に推移していると思うが、今後、マンションの金額や金利が上がることへの不安などで、消費者のニーズが変わってくると思うので、先行きは不透明なところがある。動向に注目したい」と話していました。
住宅メーカー 価格高騰対策 戸建ては「建売」増加
住宅メーカーは、価格の高騰による客離れを食い止めようと、価格を抑える対策に力を入れています。
全国で戸建て住宅を展開する住宅メーカーは、これまで「注文住宅」が販売の中心でしたが、「建売住宅」の割合を従来の3割あまりから7割に引き上げる方針を去年、打ち出しました。
地価の上昇が都心部から郊外へと広がり、資材価格や人件費なども値上がりしていることから、価格を抑えやすい建売住宅を増やすことで、客離れを食い止めるのが狙いです。
さいたま市浦和区の建設現場では、9棟の建売住宅の建設が進められていました。
外観はそれぞれ異なりますが、内装ではキッチンやバスルーム、洗面所などが同じ設備で統一されていました。
個別に設計が行われる注文住宅に比べて、建売住宅は設計や内部の設備を統一することで、資材の調達コストを抑えることができます。
複数の住宅をまとめて建設することで、工期も短くなり、人件費も抑えられるということです。
会社によりますと、同じ場所に注文住宅を建てる場合と比べて1割程度、金額にして200万円から300万円ほど販売価格を抑えられるということです。
さいたま市浦和区のこの地域では、住宅と土地をあわせて5000万円台が相場ですが、注文住宅の場合、それを上回る可能性があり、建売住宅にすることで客のニーズに応えたいとしています。
「大和ハウス工業」の現場担当者の増渕祐介さんは「高性能な住宅を作っても高すぎて選ばれなくては意味がない。なるべく価格を下げてお客様の予算に収まるよう商品を展開したい」と話していました。
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