エステーは企業や自治体向けにアロマを開発する(写真はエステーが展開する芳香剤)

エステーは自治体や企業の要望にあわせた「香り」のアロマオイルやスプレーなどを開発すると発表した。地域の特徴をアピールしたい自治体のほか、オフィスやジムなど心地の良い空間づくりをしたい企業などに売り込む。主力の家庭用の芳香剤だけでなく、自治体や企業向けの商品を増やして事業を拡大する。

自治体向けでは各地域にある樹木の枝葉などから香りの成分を抽出し、「地場」のアロマとして提供する。8月には福井県と包括連携協定を結び、同県の樹木をもとにしたアロマなどを開発した。今後、長野県山ノ内町や岐阜県飛騨市でも取り組みを進める。

人工知能(AI)を活用した商品も発売する。企業へのイメージや口コミをAIが分析し、言葉のイメージに合わせたスプレーなどを展開する。23年にはサッカーJ2・横浜FCと共同で、チームのイメージを香りにした「ハマブルーの香り」スプレーを開発した。

背景には日用品の頭打ち感がある。同社は20年近く売上高が450億円前後にとどまっており、家庭用の芳香剤以外の新しい事業を必要としていた。

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