明治ホールディングス（HD）の食品子会社の明治は24日、チョコレート菓子「きのこの山」について登録済みの「立体商標」の権利を初めて行使したと発表した。同業のフクイ（埼玉県草加市）が販売していた「チョコきのこ」の形状が類似しており、商品誤認を招くおそれがあるとして、製造・販売を中止することで合意した。
きのこの山は1975年発売のロングセラー商品だ。明治は78年に文字商標として「きのこの山」を登録したほか、2018年には商品のブランド価値を守るため形状についても立体商標を登録した。
明治が24年3月に発売したきのこ山の形をしたワイヤレスイヤホンは国内外のサイトで「meiji」や「きのこの山」と記載した模倣品が販売された。同社は従来の文字商標などに基づいて税関に輸入差し止めを申し立て、6月に受理されている。
明治は食品業界における立体商標の登録はまだ例が少ないとしており、権利を行使した事例も珍しいとみられる。知的財産部の石丸和彦部長は「模倣品対策のために取り組み、ホームページや統合報告書などで公表していきたい」と話した。
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