「リアルミー」の発表会に登壇した中井達也社長㊨(24日、東京都港区)

学生の採用支援サービスを提供するスタートアップのABABA(アババ、大阪府吹田市)は24日、就活生がエントリー前に志望企業の内定を獲得できる可能性を把握できるサービスを始めたと発表した。企業ごとの採用基準や他の就活生の選考過程のデータなどを基に、内定獲得の可能性を10段階で判定する。

サービス名は「リアルミー」。就活生はスマートフォンの特設サイトを通じ、人工知能(AI)の質問に答える「AI面接」を30分間受ける。これを基に新卒採用において重要視される「チームで動く力」「問題解決能力」「ハードワーク耐性」など14の能力を点数化する。

その結果と、企業ごとにあらかじめヒアリングした就活生に求める能力や、過去に最終面接まで進んだ他の就活生の平均能力値を比較し、独自のアルゴリズムで「A+」から「E」までの10段階で内定獲得の可能性を判定する。

新卒採用の現場では、最終面接はそれまでの選考の過程で内定を出せると判断した候補者の中から、他の候補者との相対評価を基に人材を抽出するケースが多い。「最終面接まで進んだ就活生は、そこで不採用になったとしても、その企業の絶対評価の採用要件を満たした人材である」(中井達也社長)という点に着目した。

ABABAはこれまで、最終面接まで進んだものの内定を獲得できなかった就活生向けに、他の企業からスカウトを受けられるサービス「ABABA」を運営している。リアルミーでは累計7万人の就活生の選考過程に関するデータを活用した。

学生の利用は無料で、サービス開始直後は200社を対象に判定する。判定結果に加え、志望企業の内定獲得ラインに達していない能力を伸ばすためのアドバイスなども提供する。就活生は客観的に自身の能力を把握することができ、志望企業を定めやすくなる。

企業側にとっても同サービスを利用する就活生が増えれば、採用要件を満たしている可能性が高い就活生が多くエントリーするようになり、採用活動が効率的になるという。

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