証券取引等監視委員会は25日、国債先物取引で相場操縦を行ったとして、野村証券に対し金融商品取引法違反の疑いで課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告した。課徴金額は2176万円。同社は、実際には売買する意思がないのに大量の注文を出す「見せ玉」という手口で価格を不正に操作し、利益を得ていた疑いがある。

監視委によると、野村証券のトレーダーは2021年3月9日、大阪取引所に上場されていた長期国債先物の価格を不正に変動させる目的で大量の売り注文や買い注文を出し、第三者の注文を誘い出した。トレーダーにとって有利な価格で売買を繰り返し、148万円の利益を得た上で、大半の注文を取り消していた。見せ玉として出していた注文の取り消し率は98%に上った。

監視委は25日、「証券会社が市場のゲートキーパー(門番)としての役割を期待されている中、信用を失墜させる行為」と批判。野村証券は「このような事態が生じないよう再発の防止と信頼の回復に努める」とするコメントを発表した。

野村証券のロゴ(EPA時事)

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