富士ソフトは26日、米投資ファンドKKRの新たなTOB(株式公開買い付け)方針について「引き続き賛同し、株主に応募を推奨する」と発表した。KKRは19日、進行中の富士ソフトに対するTOBで、買い付け予定数の下限を撤廃して2段階で進める方法に切り替えた。今回の賛同意見と応募推奨は1回目のTOBが対象で、2回目については開始時点で改めて表明するとしている。

KKRは9月5日から買い付け価格を1株8800円とするTOBを始めた。TOB期限の10月21日までに発行済み株式の53.22%とする買い付け下限に達しないと成立しない条件だった。富士ソフトは賛同するとともに株主には応募を推奨していた。

ただ、米ベインキャピタルがKKRより高い価格での買収方針を公表したことで、富士ソフトの株価はKKRの買い付け価格を上回って推移している。ベインは法的拘束力を持つ正式な提案を10月にも提出し、富士ソフトの賛同を得た場合は11月以降にTOBを実施するという。

そこでKKRは既存の応募者からの買い付けを確実に進めつつ、幅広い株主に売却を促す狙いで方法を変えた。具体的には現在進めているTOBを1回目と位置付け、買い付け予定数の下限を撤廃した。

TOB期限の10月21日までに集まった分は1株8800円で買い取る。53.22%に達しなければ、10月下旬〜11月下旬に同じ条件で2回目のTOBを実施する。富士ソフトはKKRと事前に協議しておらず、「近日中に取締役として意見を表明する」としていた。

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