米CNNは記事の閲覧の一部有料化に踏み切る=ロイター

【ニューヨーク=清水石珠実】米ケーブル報道局CNNが1日、同社サイトの閲覧を一部有料化したことが分かった。米国でケーブルテレビの視聴者数は縮小傾向にある。同社の記事をサイトやアプリ経由で直接閲覧しにくる読者に課金することで、収入源の多様化を目指す。

価格は月3.99ドル(約570円)。年契約すると、29.99ドルとなる。

今回の有料化は、同社サイトを多用するヘビーユーザーを対象とする。サイト内の記事を一定回数以上読んだ利用者に対して、有料契約を促す方式をとる。無料で読める上限の記事数は公開しない。

CNNは約1年前にマーク・トンプソン氏が最高経営責任者(CEO)に就任した。英BBCの会長を経て、米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)のCEOを務めた人物だ。ほかの新聞社と同様にネットの台頭で苦戦していたNYTを、任期8年間でデジタル時代に対応した新聞社に改革した手腕で知られる。「報道局が電子版を有料化する」という一手が成功するかに注目が集まる。

通信社のロイターも1日、ニュースの閲覧を有料化する方針を明らかにした。購読料は週1ドル。契約すると、記事や動画などが無制限で閲覧できるようになる。

まず10月上旬にカナダで有料サービスを始め、欧州の一部や米国にも広げる計画という。ロイターは通信社として、ほかの報道機関に記事や写真などの素材を提供することを主な役割としてきた。今後は一般の読者向けにも直接情報を提供して、新しい収入源に育てる。

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